遙かなるUTMB

トレランにはまってUTMBまで行ってしまった外科医の日々のトレーニングや備忘録

奥三河パワートレイル2017 その②

その① の続き  奥三河パワートレイル2017 その① - 遙かなるUTMB

第3エイドから第4エイド

いよいよ、勝負の後半。あと30kmちょい。新城64の後半のときよりも少し楽な感じです。あと30kmと思うと、ちょっと気持ちが楽。上州武尊のラスト30kmのきつさを思い出して、全然余裕と気持ちを入れなしました。

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小松からは少し登って急降下。実際走っているときにはあまり標高図を覚えておらず、全然上りも大したことないやん、、、って思っていました。そいて岩古谷山への登り、かなりの急登でした。どんどん脚に疲労がたまってくる感じです。全然順位もあがらず、スピードもあがらず、やっぱり今日はだめかもと、本当に弱気になった時に、みたことのある後ろ姿が。。。TAKEさんでした。顔が死んでました。。。こんなに早く追いつくとは思ってなかったので意外でしたが、TAKEさんに追いついたことで精神的に元気になりました(ごめんなさい(笑))。

しかし、このあと、信じられないくらいの急登と急降下が連続します。こんなにきついとは夢にも思っていませんでした。ところが、そこにものすごい速さで追いかけてくる人影が。。。静岡の伊藤さん(第一回の奥三河たしか3位)でした。一瞬で抜かれました。レース中で唯一完全にぬかれたのはこのときだけでした。

その後もアップダウンを繰り返していくなかで、何人かパスできた気がします。途中ですごい背の高い選手に話しかけられました。”大槻さんですよね、ちょっとファンです”

ちょっとってなんだよって思いながら、嬉しくなってしばらくご一緒。水が切れたみたいで苦しそうでした。そういえば、この区間、500mlしか持っておらず、こっちも水切れ。レース前にはこの区間は1000ml持っていこうと思っていたのですが、第3エイドで脚が重く、1000も持つ気になれなかったのでした。そしてなんとか第4エイドに到着。20位くらいに順位もあがってきました。そして嬉しいことに第4エイドで野田くんに遭遇。有力選手に会えると気持ちも上がってきます。第4エイドにはおにぎりがあるものの、もはや全く食べる気はおこらず、赤だしをのんで、バナナを食べただけでした。水は500+300mlを補給。でも300mlはすぐにのんじゃいました。

第4エイドから第5エイド

さあ、ゴールまではまだまだですが、野田くんとほぼ同時にエイドを出ました。しばらくロードの登りが続きます。割りと走れる。。。ここは野田くんを引き離しておこうとペースをあげてトレイルに突入しました。

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ところが、野田くんすぐ後ろにいました。さらにもう一人、小川さん(後からお知り合いに)。ここで急に脈拍が低下していることに気づきました。140が保てなくなり、野田くんはぐんぐん離れていきます。小川さんは比較的ペースがちかいものの、やはり先行されました。エネルギー不足を考え、ジェルを2袋摂取。そのままゆっくりなペースでしばらく我慢します。20分ほど経つと、少し心拍が上がるようになり、元気になってきました。ロングトレイルは回復があるから楽しい。絶対回復することが最近はわかってきたので我慢することができます。なにも考えずに走ってたら、急に野田くんに追いつきました。野田くんもいっぱいいっぱいなんだなあって思うけど、自力があるからかならず回復して追いかけてきます。しばらくは小川さんと抜きつ抜かれつの展開になりました。そして、あ、このトレイルみたことが。。。新城64のトレイルに合流です。しばらく行き、小川さんとほぼ同時に第5エイドに到着しました。

第5エイドからゴール

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第5エイドで水分補給をしていると、大槻さんと肩をたたかれました。振り返ると北海道の及川さん。正直、及川さんの存在を少し忘れてました。有力選手に追いついてまた元気がでます。及川さんと、小川さんが先にエイドをでて、30秒くらいして追いかけます。ゆるい林道で二人になんとか追いつきましたが、トレイルに入ってまた少し差が開きました。そして、急なトレイルに入った瞬間、突然及川さんが立ち止まってしまいました。またゴールでと言われましたが、すぐにできたら追いかけますと。やはりトップ選手は精神力がすごい。本当に追いつかれそうで怖いです。また小川さんとしばらく一緒ですが、鳳来寺山の手前の激下りで、もう下りがスピードでないので先に行ってくれと言われました。新城のときと違って、下りも楽に下れる。これ幸いにと小川さんを引き離していよいよ、最後の登り、鳳来寺山です。

標高図をみると、250mくらい。時計の標高をみながらひたすら我慢して進みますが、もうだいぶきつい。その時、前方に人影がみえました。ひと目見たらわかるユニフォーム、水越さんでした。水越さんはロードも速いランナー。トレイルレース1週間後のフルを2:40そこそこで走ってしまう。トレイルでは勝ったり負けたりだけど、こういう強い人に追いつくのはただただ嬉しい。抜かすときは潔くサクッと抜かすのが流儀だと思っているから、あっという間に引き離すように頑張る。脈拍も140台に回復し、とうとう鳳来寺山の頂上にたどり着きました。ここからは地図では小さな登りあと一つ。なんとなくコースも階段や神社など人工物が多くなり、ゴールが近づいてくる匂いがします。そしてとうとう最後の小さな登り、ここでなんと福井さんに追いつきました。実力はかけ離れていますが、調子が悪くなったようで一時的に動けなくなった模様。おいついて嬉しいけど、万全な状態の福井さんに追いついてみたいと思うような、複雑な心境でした。最後の5kmは林道が続きます。幸いにもゆるい走りやすい林道。そして、ロードを暫く走ると、とうとうゴール!。本当にきつかったです。あとから結果をみたら8時間14分から25分まで6人が団子状態。もうちょっとがんばれたんじゃないかって後からは思います。

順位は目標に届かなかったけど、レース展開や実力は出し切れた気がしました。

その③(レースデーター)につづく

奥三河パワートレイル2017 その③ - 遙かなるUTMB

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左から水越さん、TAKEさん、私、福井さん

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Team inov8の蓮田さんと