遙かなるUTMB

トレランにはまってUTMBまで行ってしまった外科医の日々のトレーニングや備忘録

遅発性筋肉痛(DOMS)への対応

小ネタを。。。

マラソンランナーならそれほど悩まされることもない遅発性筋肉痛ですが、トレイルランナーは悩んでいる方多いんじゃないでしょうか?春のレースシーズンなんか、練習したら筋肉痛なんてざらだし、ロングレースに出たらいくら練習していても必ず起こるし。。。

 

ちなみに遅発性筋肉痛はブレーキをかけるような筋肉の使い方(伸長性収縮, excentric contracture)で生じることがわかっていますし、おそらく、筋組織(筋膜や結合組織を含む)の損傷および炎症であることが示唆されていますが、いまだにはっきりとした原因は不明です。

 

今回のテーマ

1. 遅発性筋肉痛は回避できるか?

2. 筋肉痛がある時の練習は?

 

1995年にすでにこんな研究がありまして

筋肉痛出現後にまだ痛いうちにおなじ運動をしてもそれ以上悪化しない(運動の程度によるとは思いますが)といのがありました。

www.ncbi.nlm.nih.gov

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こんな感じで、初回の刺激後に筋肉痛が最大となってそこから日が立つと痛みは減ってきます。そこで同じ運動をしても、もはや痛みは増えなかったというものです。

増えないのは良いけど、痛い間に運動したほうが良いのか、しないほうが良いのか?

早稲田の山口先生がこんな研究をされていました

https://www.waseda.jp/tokorozawa/kg/doc/50_ronbun/2016/5015A040_abs.pdf

要約すると

下の図のように最初の筋肉痛が起きてから痛みにめげずに何回か同様の運動をすると、3週後に同じ運動をした時の筋肉痛が、痛みにめげて安静にしていた場合よりもはるかに抑えられたというものです

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結論 筋肉痛がでて痛くても、めげずに頑張っていれば、そのうち大した筋肉痛が起きなくなるよ!ってことです。