遙かなるUTMB

トレランにはまってUTMBまで行ってしまった外科医の日々のトレーニングや備忘録

OSJ ONTAKE (おんたけ) 100マイル 2017 その①

OSJ ONTAKE 2017 - 100 mile 参加してきました

結果は 18時間44分16秒 7位 (/158)

POWER SPORTS | パワースポーツ「OSJ ONTAKE100 Presented by PowerBar(旧大会名:OSJおんたけウルトラトレイル100K)」

走力はいまいちながら、昨年棚ぼた的に5位入賞した縁起の良い大会

UTMBに望むにあたり、マイルを一度は経験すべきじゃないかということで人生初マイル。

正直、総合表彰行けるんじゃないかって思ってました。。。去年優勝の大瀬さんも出てないし。。。時間的には上州武尊くらいだし、まあ累積もそれほどなさそうだし。。。なんて妄想を膨らませておりました。そしてライバル対決、ひゃっほい太郎ことRyoさんとの対決も楽しみです。かれの練習量は半端なく、1人で夜8時から100マイルの予行演習なんかしているし。。。。

 

当日、午前中仕事。お昼から車で、一路、松原スポーツ公園に

名神高速から中央自動車道、中津川ICで降りて、国道19号線です

およそ4時間で到着。到着時には18時前ぎりぎり。

受付は知り合いに頼んでいたので、ゼッケンをもらって用意開始です。

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今回の秘密兵器は前回の菅平からバージョンアップしたココア入り自家製大麦クッキー。少なくとも100kmまではこれで行こうという魂胆です。ジェルより遥かに軽いのに高カロリー、さらに多分低GI。

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1時間に1個ずつ食べる予定

装備一覧は

シューズ Inov8 TRAIL TALON 275

ソックスCEP

パンツ 包帯パンツ+モンベルウインドショーツ

バックパック Salomon S-lab 5l

Naked running band 

モンベル トレントフライヤージャケット + バーサライトパンツ

Petzl Nao + 予備電池 + Petzl e-light

エマージェンシーシート、救急セット、熊鈴

飲料1000ml (自作クラスタデキストリンドリンク)

クッキー12個

塩カプセル12個 (12g)

 

スタート1時間前に カフェインカプセル2個 (400mg) 眠くならないようにと思って、コーヒー2杯分くらいのカフェインを摂ろうと思って間違って2個飲んでしまった。1個で良かった。。。1個100mgと思ってた。カフェインめったに採らないけど、今回誤って摂取しすぎて大変なことになってしまいます。まあ後ほど。。。

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左からミフィオ(ロードのウルトラはめっぽう強い)、上にKabaちゃん(練習全くしなくても100mile走れる超人、1ヶ月の走行距離はいつも100km以下)、そして、永遠のライバルと思っていたRyoさん(ひゃっほい太郎)、私、KAI兄さん(ウルトラの鬼)

いよいよレース前、知り合いにいっぱい会って、御嶽山にお祈りして、さあはじめてのマイル頑張るぞーって感じです。

 

前半戦

今回のレースははじめての100マイルということもあって、100kmで余裕があることを目標に望みました。心拍数も135まででおさえて行こうと思っていました。

スタートしてすぐはロードの下り。50番くらいを走っている感じです。横にはRyoさん、暫く行くとRyoさんは少し先に行ってしまいました。ゆっくりと言い聞かせながら走っていると、横からKabaちゃんが、、、「めっちゃ押させているね」と。そんなにおさせているわけではないけど、ゆっくりめ。左を見ると速そうな人が、よく見ると五十嵐さん。結局優勝。登りに入って五十嵐さんはすっと前にいってしまい、Kabaちゃんはすっと後ろに下がっていきました。

 林道に入って気温はそれほど高くないのになぜかどんどん汗がでる。興奮しているのか?調子悪いのか???。あとから考えると、カフェイン400mgのせいじゃなかろうかと思っています。カフェインは発汗作用があるらしく400mgはちょっととりすぎなんだろうな。。。失敗しました。異常な発汗がつづくのにエイドは40km以上の先です。延々と林道をのぼり

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この赤区間がループ区間。結構がっつり降りて登らされました。

2回めの同じ区間の登りで、なんか後ろから巨大な音が迫る。ふとみると巨大な重機が。今頃仕事なんだろうか???よくわからず横によけるが一向に抜いてくれない。歩くわけにもいかず登りを走り続ける。昨年の100kmも歩かなかったからこのコースで歩くことに罪悪感があった。脈拍が135を超えて140になっている。自分のなかでルール変更。登りは140までにする。こんなことをしては行けないんだけど。。。

しばらく登ると道の真中に巨大な岩が。そういえば一回目でも横を通り抜けたな。。。これをどかしに来たのか。。。山中に炸裂するかのような音で重機が岩にぶつかる。あとから聞くと、このあと重機は崖から落ちたらしい。。。恐ろしい(乗っている人は無事だったと)ともかくこの時は、重機の追跡を逃れてだいぶ安心した。走っては行けないルールは変更されず、ゆっくりでも走り続けている。あいからず凄い汗。

ともかく塩を補給しておこうと1ー1.5時間に一度程度塩カプセルを取るようにする

10km 1:09:45

20km 57:38

30km 1:10:36

40km 1:01:35

やっと小エイド。水を500ml補給。だいぶ汗かいたけど、体重が軽くなって良かったくらいに思っていた。

すぐにエイドを出て、一度下り、登りきったらはじめての関門とエイド

赤線のところ。ここでエイドの人に順位を聞くと10番くらいじゃないですかと言われた。順位的には結構良いペースだけど

50km 1:13:58

タイムは5:52もかかっている

去年のタイムでは総合に入ろうと思うと5:30くらいが目安だった。。。そんなに早いペースではないのに、結構疲れている。汗もかきすぎて調子悪い

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エイドでバナナを6切れくらい食べる。トイレに行く。尿の色は大丈夫だった。

ここで、マイルの選手2人と一緒になる。一人は3位争いをしていたけど落ちてきたと。

だいたい3人一緒にエイドを出た。エイド後は約20kmの第2ループ。しばらくというかずっと下り。2人ともあっという間に見えなくなった。徹夜しているときのだるさがあって(徹夜だけど)そんなに速く走れる気がしない。マイペースで一人旅、延々と降りる。1500mくらいから1000mくらいまでどれだけ長いのかというほど下りがあって、暗いトンネルが3つくらい続く区間にやってきた。ここで一人追いついた。少し行くと登り返しが始まった。まだ走れるけど、このまま最後まで走るのは無理だなってやっとここで気が付き、歩いてもよいルールに変更した。ちょっと歩いて、また走って。。。暫く行くと、また1人追いついた。さらに少し行くと、3位争いをしていたって方に追いついて、言葉を交わす。そのまま先行して暫く行くと、ループが終了して、元の道に復帰。100kmの選手と、とうとう合流。たぶん12-14時間くらいでゴールする人たち。普通に走ればどんどん抜ける。なんか俺マイルだぜみたいな気分になって(嫌な奴)カッコつけて走っていたからだいぶ消耗したかもしれない、第2関門についたときにはヘトヘトになっていた。

60km 1:07:11

70km 1:12:28

ここで、100kmに出ている田辺さんに出会う。久しぶりにあって話し込んでしまった。バナナを食べねば、、と思い頑張って食べるけど胃腸の調子が悪く無理やり食べている感じ。トイレに行くとワイン色尿。。。これはまずい。超脱水でミオグロビン尿ってことだ。医者に見つかったら絶対ドクターストップかかるなあ。。。って思う。とりあえず、水をがぶ飲み。塩も摂取。まあなんとかなるだろうって思いながらそれほど休まずに出発。あとから考えると、エイドでもう少しずつでもきちっと休んだほうがタイムは良くなったんじゃないかと思うけど、レース中はそんな思考が働いていない。

ここからはだらだらとアップダウンを繰り返すものの、基本的に走れる区間。ゆっくり走っているうちに夜があけてきた。明るくなってくると精神的にも辛さが減ってくる。なんか超クールなことをしている気分。世の中徹夜で100マイルも走っているやつはそんなにいないだろう。。。俺って幸せ、、って思える。昨年のことを思い出す。この橋のところで、あまりにも苦しっくって、「絶対完走できる。絶対できる」って誰もいないと思って叫んでたら、後ろから大丈夫ですか?って2位になった木曽さんに声かけられたなあって思い出した。

80km 1:12:15 下りなのに走れていない

下りがだんだん走れなくなってきた。なんか腹が痛い。そういえな去年も痛くなったなあって思い出す。胃腸がいたがっているのか何が痛いのかよくわからないけど、下りを走ると痛い。ひどくなると止まって歩いてしまう。随分ペースが落ちた頃、「大槻さんですか」って声かけられた。見知らぬ人。「橋本翼の父親です」と言われた。「あー翼くんのお父さんですか。若!」って思わず叫んだ。翼くんは何回かレースで一緒になっている。最近は腰の調子が悪くて困っていたので、相談にのっていたりした。しばらくお父さんと並走する。話すと随分楽になってペースが上がるけど、それも1kmくらいしか続かなかった。やはり腹痛がひどくなり先にいってもらう。この後も平坦なところでも走ったり歩いたりで次々と100kmのランナーに抜かれていく。そしてとうとう100マイルのランナーに抜かれた。何位かわからないけど、まだ半分しか来てないのにどうやってゴールまで行くのか途方にくれる。

木の切り株がいっぱいある大きな池(湖)を見ながら走っていると、切り株が牛に見えてくる。ここから徐々に高度をあげて103kmのドロップバックにむかう。

90km 1:09:13  

しばらくすると登りのせいか体調はだんだん良くなってきた。割りと走れるようになり、ぬかれたマイルの人を追う。100kmの人たちはまた抜けるようになってきた。エイドまで3.5kmの看板がある。絶対距離とあってない。これは嘘やなって思いながらひたすら我慢。結構ゆっくりでも走りながら峠を超えて下った先を少し登るとやっとドロップバックのエイドを発見した。橋本くんのお父さんに追いついた。そして抜かれたマイルランナーにも追いついた。外池翔太郎さん、名前は知っていた。確か100kmロードめっちゃ速い人だな。。。って思い出した(7時間半くらい)。エイドで水をたらふく飲んで、バナナを食べて、ドロップバックを受け取る。立ってられなくてブルーシートに横になってしまった。消耗が激しい。あと51km。これはあかんやろって思う。80kmくらいからはクッキーなんか全然食べれなくなった。ドロップに入れておいたジェルを2つほど飲み干した。ジェルならいけそう。あと51kmだしジェルを4つほどポケットに入れた。もっと休めばよいのに、数分でエイドを後にした。尿は相変わらずほとんど出ないし、色もかわらない。完全に急性腎不全だなあ。。。って思う。順位を聞いたら7位って言われた。

100km 1'22'28 ずいぶん落ちた。

その②に続く

OSJ ONTAKE (おんたけ) 100マイル 2017 その② - 遙かなるUTMB