遙かなるUTMB

UTMB2017完走に向けて日々のトレーニングや備忘録

UTMB 2017 ⑤ CHAMPEX-LAC から ゴール

UTMB ①スタート前からスタートまで - 遙かなるUTMB

UTMB ② スタートからLES CONTAMINESまで - 遙かなるUTMB

UTMB ③ LES CONTAMINESからCOURMAYEUR - 遙かなるUTMB

UTMB ④ COURMAYEUR から CHAMPEX-LAC - 遙かなるUTMB

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CHAMPEX-LAC

流石に2時間休憩していたせいか少し脚が軽くなった。実は2時間いたことは後から知ったのだけど、その時は1時間ちょっと休憩していたつもりだった。シャンペ湖で釣りをしている人たちの横を走って、しばらく延々と林道のくだりを走る。これならTAKEさんを捉えられたりして。。。なんとあほなこと考えていた。あまりにもサーッと抜いてくから「凄いなあ」って言われて、「1時間ねてたからfreshだ」みたいに答えているうちに、登りになった。登りになったらやっぱり速くは進めなかった。下りで颯爽と抜いた人たちに颯爽と抜き返された。ゆっくりでも一歩一歩すすもうと短い歩幅だけど淡々と登るように心がける。標高をあげると寒くなるかもしれないから汗をかかない範囲ですすもうと思う。何回も時計で標高を確認してしまう。100m登るのにすごい時間がかかる気がする。予定では1430mから1884mまでわずか400m登ることになっているけど、登り始めは1330mで実は2040mまで700mの登らされた。山頂付近はやはり吹雪だった。やっとの思いで山頂を超えて少し走ろうと思うけど、やはり嘔気がして、走る気が起きない。地面も雨と雪のせいで田んぼ状態だ。走ったり歩いたりしながら標高をさげ、小さなTRIENTの街に到着した。ひとつ山を超えたらもうあと2つしか残っていない。気持ちはだいぶ楽になったけど、身体は悲鳴をあげている。

 

TRIENT

TRIENTのエイドもアシストが許されている。走る前はラスト3箇所もアシストいるんかいなって思っていたけど、今はラスト3箇所のアシストに救われた形だ。エイドでスープを飲んで、母親がラーメンを作ってくれたけど全然食べれなかった。イスに座ると絶対完走するという決意が揺らいでくる。ここでやめたらすぐに車でシャモニーに戻って温かい布団で眠れるなあって考えてしまう。アホなこと考えている自分に笑ってしまった。あまり長くいても変わらないので、母にもう行くといって、エイドを後にした。

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エイドを出た途端、冷たい冷気を一気に浴びて猛烈に寒くなった。突然シバリングが起こりだす。インフルエンザで高熱が出る前に歯がガタガタとなり、全身が震えるやつだ。ここでこんなに寒かったら山頂にいけば本当に動けなくなるかもしれない。人に迷惑もかけるし、もう十分がんばったよ。。「やめよう」本当にそう思って、エイドに戻る。母親にばったりあってもう辞めることを伝えた。エイドのお姉さんは「ブラボー」とかいってくれる。「I will stop.」この英語が正しいかわからないけど、「Soup?」って聞き返さ得れる。いやいやスープはもう良いよ、もうやめたいんだっていうと、深刻な顔をされて、しばしの沈黙の後に、ここで言われてもだめだから向こうの教会に行けという。えーもう動きたくないのに教会まで行くのかよっと思って、外にでて教会にむかってゆっくり走り出した。教会に向かう途中、気がついたらシバリングは止まっていた。急に、こんなんでやめたらだめだろうって強く思い始めた。エイドでやめれなかったのは、きっとまだ「やめるな!」っていうお告げなんだ。リタイヤはあっという間に撤回された。また両親にやっぱり行くと告げる。やめるものと思っていた両親はびっくりした顔をしていたけど、何も言われなかった。リタイヤを告げる予定の教会を横目に、しっかりと一歩一歩あるき始めた。

TRIENTからはすぐに急登がはじまる。また2000m超えの急登だ。ここも一歩一歩静かに登ろうと思うけど、本当に力が入らない。ともかくジェルを摂ろうと2袋無理やり食べて登り続ける。しばらくするとなぜか急に少しだけ登れるようになった。意外にはやく山頂についた。やはり吹雪。TRIENTの手前の山でもであった中国人にまた山頂付近で追いついた。この人、追いつかれても決して自分から道をよけない。腹が立ってきて、後ろから身体を横に押して無理やり抜かした。なにか叫んでたけど何言っているかわからない。ここからは本当にぬかるみの下り。やはり下りは気持ち悪くて走れないけどできるだけ早歩きであるき続ける。走ってもヌルヌルで時速10-12kmくらいだろう。歩いても6kmくらいはでているからまあ許容範囲かなあって思う。この坂はキリアンが2011年ラストスパートしたところだなあって思う。どこまで続くのかと思うほど長い下りをおりたけど、まだ中間地点だった。しばらく平坦なコースを軽く走ったり歩いたりしてからまたどろどろの急降下。田んぼをあるき続け、ようやく最後のアシストポイントVALLORCINEに到着だ。もうあと一山、ここまでこれたら完走できる気がしてきた。時間はすでに真夜中になっている。

VALLORCINE

ここのエイドは暖かかった。ストーブがついている。山はあとひとつ、もう死んでもゴールするという気持ちと、やっとゴールできる!っていう気持ちが混じっている。少なくとも、リタイヤしようっていう気持ちはもはや微塵もなかった。時間は既に深夜2時をまわり、こんな時間にアシストしてくれる両親に申し訳ない気持ちでいっぱいになる。意地でも完走しないといけない。食欲はないけど、さっきジェルをとったらすこしがんばれたのを思い出し、エイドでジェルを3本摂取した。ちょっとベンチで横になる

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5分ほど横になって起き上がるとやはり寒い。

ストーブでしばらく暖をとり、いよいよゴールに向かって出発だ。

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予定ではLA FLEGEREまで上がって降りるだけときいている。どんなコースかわからないけど現在地が1270だから1860まで600登れば終わりだ。心配は距離が19kmと長いこと。エイドを出ると川沿いの細い道を進む。延々とゆるい上りが続くけれどなかなか山には入らない。もうずっと早歩きだ。たくさん食べたからどこかで楽になってくれることを期待している。気持ちの中では相当長い距離を歩いてから山に入っていった。さっきの登りはすこしがんばれたのに、今回は気分が悪くて力がはいらない。ゆっくりゆっくり登っていく。最後ののぼりのせいか、後ろから抜かれることが多くなった。ゆっくりと登りながら、標高を確認していく。1600, 1700m...もう少しだ。1720mを過ぎたところで急にくだりになった。どうせ偽ピークでまた1860まですぐ登るんだろうと思っていたけど、全然上りが現れる気配がない。それどころかどんどん激下りになってくる。全然しらない中国人が何だこの斜面って悪態をついている。どんどんおりていき、街の光と道路が見え始めた。あれれ、、、もう終わりなのか。意外に最後は登りが少なくてほっとした。まあでも終われるのはやっぱり嬉しい。1500mまで降りると気持ち悪さがMAXになってとうとうゲーゲー吐き出した。5回くらい発作のように嘔吐がくるけど何も出なかった。ちょっと座っているとフランス人がOK?とか全く心配してそうでない感じで通り過ぎていく。すこし気分が良くなって1460mまでおりて、もうすぐ道路に降りるのかなあって思っていたら、また登り始めた。ちょっと嫌な予感がする。そういえば最後のLA FLEGEREって確かエイドのはず。。。チェックポイントがあったからあまり考えてなかったけどそういえばまだエイドは通っていない。暫く進むと木の看板に左LA FLEGEREって書いてあった。うわ、ここから1860mまで登るんか。。。打ちのめされる。まあそんな簡単にはゴールさせてくれんよね!気を取り直して登り始めた時に。。。

突然、ヘッドライトが3回瞬いた。???電池切れ???慌てて確認するとライトの光量がMAXになっている。疲れていて気づかなかった。急激にライトが暗くなった。たしかNAOのライトは暗くなって2時間しかもたない。予備のアルカリ乾電池は使ったことがなかった。ここで電池の入れ替えをするのもリスクがあると思って、E-lightを取り出し、2つのライトで進むことにするけど、それもいつまで持つかわからない。しばらくすると後ろから人が来た。これはついていくしかない。こんなところで1人なったらやっぱり生命にかかわる。がんばってがしがしついていく。吐いたせいか気分は楽になっている。スピードをあげたら気分が悪くなるかもと恐れながらついていくけど、一向に気分が悪くなることはなかった。なんだやればできるじゃないか。。。自分の心の弱さを呪う。まあ最後にスピードがあげれてよかった。1700mくらいまで、あまりにもピッタリと付いていくのものだから前にいけと譲ってくれた。ライトのバッテリーが切れたことを告げてついていかせてもらうことにした。快くOKしてくれる。広いスキー場に出てきて予定の1860mに達したけど、それらしきエイドは全くなかった。はるか上までライトが続き、ぼやっと光っているところがある。結局2000m近くまで登らされて、やっとLA FLEGEREに到着した。Petzlのサービスが有るかどうかを期待したけど、なかった。すこし休憩して、先導してくれたかたに下りもついてこいと言われる。本当にありがたい。下りはいきなりの急降下から延々と林道の下り。それほど斜度のない斜面を延々と1000m下る。早歩きとjogの間のような速さで進んでいき、標高が1400くらいまで来た時にだいぶ疲れて先に行ってもらった。E-lightと残りのバッテリーでなんとか行けそうだ。。。って思ってたら、NAOはほとんど消えてしまった。さすがにE-lightだけではすこし厳しいなあって思っていたら後ろからゆっくりめでおりてくる人がいる。これは抜かれない速度で前を行くのが良いのではと、スピードをあわせながら下り始めた。さっきまではついていってたから自分の足元はかなり暗くて進みにくかったけど、後ろから照らしてもらうと非常に進みやすい。しばらくずっと同じペースですすみ、林道が広くなったところで、ライトのお礼を言った。全然気づかんかったわって言われたけど、下まで一緒に行ってくれた。本当にとうとうシャモニの街に帰ってきた。もうすでに街は明るくなってきて、2晩が明けようとしている。お気に入りのユニに着替えている人がいる。ほとんど街のひとはいないけど、ひとがいないシャモニの街をゆっくり走る。本当は前の晩になる前に帰ってくるはずだったけど、すごい長い旅になってしまった。暫く行くと、見覚えのあるシルエットが。。。Chikaさんだった。ずっと心配してくれてたんだなあ!感謝しかない。TAKEさんとショーやんも無事にゴールしたって教えてくれた。次の角曲がったら二人がまってるよって言われて嬉しくなって曲がったらだれもいなかった。そのかわり一緒に出場したKABAちゃんの奥さんに出会う。本当に良く帰ってこれた。嬉しさと安堵と感謝と、色々な気持ちが混じり合って目頭が熱くなった。ゴール手前でショーやんが待っていてくれた。嬉しくって思わずハグ(笑)そしてゴールにゆっくり歩いていった。両親が迎えてくれた。帰ってこれたのも本当に両親の力によるものが大きかった。母親と抱き合うのも30年ぶりくらいかもしれない(笑)。父親とは握手して、そして最後にぬかれた、はじめてあった奥村さんと写真撮影。

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そして両親と

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最後にChikaさんとしょーやんと

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残念ながらTakeさんは寝落ちしてたみたいだ(笑)

ゴールではサプライズのプレゼントをもらったり本当に嬉しい瞬間でした。

これだけ密度の高い、長時間をすごし、みんなに感謝して、泣いて、笑って、吐いて。。。一生の思い出をありがとう!!!

 

またあとがき書きます。レース分析も