遙かなるUTMB

トレランにはまってUTMBまで行ってしまった外科医の日々のトレーニングや備忘録

新庄・蒜山スーパートレイル 2017 その②

その①はこちら

新庄・蒜山スーパートレイル 2017 その① - 遙かなるUTMB

さてレースです。

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これ見てどお思います??? 距離75kmで累積3190m 少な!

17km A2エイドから47km A2エイドまでほとんどアップダウンないし。。。最初の山をグダグダ超えたら50kmまでほどほど走ったら後は頑張るだけやな、みたいなレースプランを考えておりました。

前日に昨年出場したTAKEさんからメッセージをもらった

前半、後半ともに山パートは累積図以上に結構アップダウンがある感じでした。」

とりあえずなめたらあかんと。。。

レーススタートからA2

朝5時の漆黒のなかでスタートです。星がきれい。3列目くらいでゆっくりスタート。50mほど走った瞬間に足に水がかかる。ふと見ると600mlのフラスクから水が吹き出している。吸口がとれている。急いで指で塞いで、吸口をさがしに戻ります。幸運にも少し戻ったところに落ちていました。そんな簡単にとれるのかと思いながら蓋にさすけれど、スポスポで全然抵抗がありません。とりあえずしかたなく一番下まで突き刺して走り出しました。

100番手くらいまで落ちていたから、そこから頑張って2,30番くらいまであげていくとようやく室谷くんに追いつきました。余裕そう。気温は6度と低く、心拍計は異常値。

しばらくして徐々に標高を上げていった時、室谷くんに「水もれてますよ」って言われた。確かにまたもや吸口が無い。もう探しに戻る気持ちもなく、指で蓋をしながら走ります。

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結局長い、ストロー状の筒がこのプラスチックの部分にちゃんとはまってなかったようだった。新品のまま確認せずに使ったのがいけなかった。

 

これで使えるボトルは片方の600mlだけになってしまった。暑くならないことを祈り走り続ける。トレイルはかなりの急登で標高図からの想像とは大違いだ。とにかくすべての斜面がかなり急だ。しだいに明るさが増してきて始めのピークに着く頃にはヘッドライトはいらなくなった。体調が悪いせいか、登りはかなりきつく、脈拍がどんどん上がってしまう。登りでは結構抜かれる。相当遅かったのかも。。。ピークからはアップダウンの連続が始まる。かなりの急降下もあり、シングルトラックが10人くらい渋滞している。先も長いしまあゆっくり行こうかと10分くらい我慢していたけど、あまりにも遅いので、すみませんと先に行かせていただいた。先頭付近には室谷くん、声をかけて抜いていく。ゴールまで抜かれませんようにとちょっと願って、進んでいく。10kmほどで第一エイド。水をいただく。先頭から12分差と言われる。ゆっくりきた割にはあまり離れていないし、ちょっと安堵した。ここからも激下りと激登りが続く。全然走るまでは知らなかったけど、景色も最高だった。大山が雄大に見えて、雲海も見える。このあたりで、山本さんっていうかたとポジションが同じくらいで良く話をするようになった。山本さんとはこのあともずっと前後しながらレースをすすめることになる。しばらくすると激下りの後に激登り。その登りで、すごい勢いでひとりの若者が後ろから抜いていった。実は知り合いのOkiさんだったけど、その時はわからず、うわー速、って思っただけだった。三平山の美しい稜線を通り下りに入る。突然、「大槻さん?」って声をかけられて。顔をみるとなんとなく知っている。あー片岡さん。STRAVAで名前だけは知っていたし、近藤さんのブログでアンドラ出てたのを知っていたけれどお会いしたことはなかった。事前に出場者名簿で出てられることは知っていたけど、レース中に会えてすごく嬉しかった。しばらくとりとめのない話をして先に進む。

楽しく走っていたら突然つるって滑ってしまった。いきなり右下腿がつる。右腕に無数の擦り傷と出血。まだ15kmで足がつるなんて。。。。やっぱり走った距離は裏切らないわって思いながら下っていった。下るとA2エイドがある。おにぎりをひとつもらって水を補給していよいよ走れるはずの林道区間だ。

A2からA3

林道区間が始まって、それほど傾斜がないのに、km7とかのペースになってしまう。全然遅いのにしんどくて脈拍も高い。山本さんにもOkiさんにも先行される。下りを利用してなんとか追いつくのがやっと。そうこうしているうちに、白いユニをきたかたにおいつきそうになったところでA3エイドに到着した。

A3から再びのA2エイド

A3エイドで水を補給していたら、少しまえで走っていたのがOkiさんであることをはじめて認識した。全然わからんかったって会話して、Okiさんはもうだめですとか言っている。白いユニの方はエイドはほとんどとまらずに先に行き、山本さんは先にエイドを出発。そしてあとから僕もエイドを後にした。ここからしばらくは延々とロードの登りが続いた。全然スピードが出ないけど、後ろをみてもOkiさんはついて来なかった。白いユニのかたと、山本さんと三つ巴になる。白いユニのかたはなんか見たことあるなあって思っていたら、蔵本さんだった。僕がトレイルを始めた頃から名前は知っていて、OSJのレースなどで活躍されていたかただ。昔からかってに凄い人だなって思っていたから声をかけたら、僕のことも知っていてもらって嬉しかった。苦しいロードが終わると漸く36km、ここから林道に入る。なんとなく下りでスピードがあげれる気がして、ちょっとだけスピードをあげてみたら後ろ2人がついてこなかったので、だいぶ速いけどすこしだけスパート。後から考えたら、体調も悪いし、いっぱいいっぱいで36kmでスパートって意味わからんけど、その時は調子も悪いしどうせだめならみたいな思考でスパートしていた。小さなアップダウンを繰り返して基本下り基調。ここで突然同じ方向に走るフッキーにであう。同じところ同じ方向に走るとこあったっけ?って思いながら、調子どうですかって聞かれて「いまいち」なんて答えた気がする。

フッキーにあったのがどれだけ凄いことかあとから気がついた。

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フッキーは25kmをすぎとところで、僕は41kmのところだけど、出会える区間は41kmからわずか100m。これは奇跡だわ(笑)

さて、water エイドを超えて右に曲がる。ロードの登りが続くけど、後ろが見えなくなってきているのでひたすら頑張って走る。ただただ我慢して走っているといきなりA2エイドが現れた。Inov8の阿部さんだ。「調子良さそうですね」とか言われる。7位で前は3分て聞かされる。エイドでは揚げ物をすすめられたけど、それは無理やわって思わず言ってしまった。小さなおにぎりをいただく。総合はたしか6位だし、頑張ろうと思うけど、まだ47kmなのにかなりへばっている。

A2からA4

ここからしばらくいくとトレイルに入る。急登で急激に足に力が入らなくなった。両側の内転筋がつりそうになる。前も全然見えない。後ろもだいぶ気になりだした。だいぶ標高を上げた時に、チラって上に人影が見えた。一瞬元気になった時に、かなり近くで後ろから人影が見えて元気がなくなった。山本さんだった。あとから見ると5分くらい引き離してたけど、あっという間に追いつかれた。今日は調子が悪いって途中で山本さんに言っていたから、「今日はやっぱり駄目かも」って弱音をはいたら「3位まで団子らしいですよ」って力強い言葉。6位に入りたいなあっておもっていた時に3位って聞いて「僕も頑張らないと」、とは思うもののなかなか厳しい状況は変わらない。はちみつを補給しながらじわじわ登っていくと、急に前が近くなった。よく見ると相当へばっていてあっという間に追いついた。また7位に戻す。こうやって頑張っていたらまた抜けるかもしれないと思いながら、長く続く急登急降下を繰り返しているうちにミドルの部に追いついた。部門が違っても、追い抜けるとなんとなく気持ちが落ち着く。いつまで続くのかと思っていた小さな登り返しも終わり、やっとトレイルの急降下が始まった時、みたことのある後ろ姿。新藤さんだった。

「新藤さん、やっとおいつきました」って言ったら「遅かったやん」って言われて、MBのことや体調が悪いことなど話をしながらおりていく。新藤さんは膝が調子悪いって言ってたからついてこないかなっておもったら、全然余裕でついてくる。結局2人ともスピードをあげてどんどんミドルの人を抜いていくことになる。そしてA4エイド。ここで5,6位ですって言われる。あれ、いつのまにかひとつ順位が上がっている。知らない間にひとり抜いていたようだ。

A4からゴール

新藤さんとひたすら一緒に走る。新藤さん、全然余裕そうで結構しんどい。ミドルとまたお別れして暫く走るとロードの登りがはじまる。新藤さんは全然走り続ける。前に1人見えてきた。こっちはしんどくて歩きをかましながらなんとかついていってロードの頂上で3人一緒になった。4,5,6位だ。本当に団子だ。山本さんは3位まであがっている。流石だなあって思いながらロードの下りを駆け下りる。降りたところでA5エイド。エイドにあと7.5kmって書いてあった。あと10kmくらいって思っていたからだいぶ嬉しかった。このエイドは補給しないって決めてたから、コップに水だけのんで、補給している二人をおいて先にエイドを飛び出す。追いつける気力がなくなるように出来る限り飛ばした(って言ってもよたよた走っていただけだけど)。ここからは林道の登りが4kmほど続く。途中こまかいアップダウンがあり、延々と登って、71kmで下りに入る。下りに入るまでに追いつかなければ大丈夫って思って逃げに逃げた。林道からの下りは、ガレた嫌な下りだったけど、しばらく降りるとロードに出る。もしかして山本さんに追いつけるかもってかなり飛ばす。ロードの最初の1kmは下りもあって4'10だった。そのあとも4分台をキープしたけど500m程前にチラって見えただけで追いつけなかった。

こんな順位で帰って来れるとはレース中思いもしなかったし、inov8の阿部さんやTAKEさん、室谷くんや新屋さん、みんなのお陰で頑張れた。ゴールしたら3位って言われる。4位のはずだって言ったら、ゲストランナーの小川さんは順位に入っていないとのこと。棚ぼたの3位。まあどんな理由でも3位は嬉しい。

2位は山本さん。2分ちょっとの差。優勝は谷川くん。30分差。調子よくてもなかなか追いつけないくらい離された。谷川くんは若いしどんどん速くなっている。年食うとなかなか若手には追いつけない。

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スーツケースが開かないのでひとりだけ着替えもできず風呂にも入れない。

かんちゃんと新家さんは無事にゴール。

このあとみんなで室谷くんを待って。

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勝利の笑顔。まだまだ若者にはまけない(笑)

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スーツケースは奥さんが色々と調べてくれて、米子のイオンにあるお店で開けてもらうことができました(このままの格好でジロジロみられたけど)

蔵本さんと!

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片岡さんと!

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あとがき

1. つかれていたためか、賞状と賞品忘れて帰った。メールしたけど返信はなし。ガーン無事にみつかって届けてくれるとのこと。ありがとうございました

2. 米子の回転寿司北海道に行った。異常な旨さ。

3. はちみつは使える

4. 摂取カロリー CCDドリンク 6袋 1000kcal + はちみつ400kcalくらい

5. 標高図はこっちが正しい。縮尺を変えるだけでこれだけ見え方が違う。新庄蒜山なめたらだめです。ちなみに実際の累積は3500mはあります(GPSでも気圧でも)

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6. 心拍 風邪のせいかいつもより高いのにパワーは出なかった。

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7. シューズ INOV8 X- talon225 お世辞抜きでこのシューズは良い。昔の赤タロンにかなり近い。履いた感覚も。こんなシューズが残ってるって知らんかった。流石にロングは足の裏が痛くなったけど。

8. Oxsitis 最高

 

新庄蒜山なかなか素晴らしい大会でした。また来年も出たいです。