遙かなるUTMB

トレランにはまってUTMBまで行ってしまった外科医の日々のトレーニングや備忘録

OSJ氷ノ山山系トレイルレース 2018 その2

OSJ氷ノ山山系トレイルレース 2018 その1 - 遙かなるUTMB

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コース図の概略をのせておく。距離はGPSモードのせいで少し短くなっている

スタートしてスキー場に沿って上がっていく。先頭は少しずつ離れていく。最初からポールを持って脚に力が入らない程度に上がっていくことにする。心拍をふとみると145くらいになっている。涼しい割にはちょっと高いけど腕をつかっているからかもとそのまま行くことにした。ポールのおかげが少しずつ登りでも前を拾っていき、鉢伏山の山頂にはあっという間に着いた。ここから下りに入る。実は下ったところまで最後に戻ることになるのだけどそのことを意識していなくて、最後の急な登りをイメージできてなかったのが悔やまれる。ここの下りは割と滑りやすく、ポールはたたんで両手にもって安全に下った。下りきると今度は氷ノ山越の登りが続き、ポールを使う。次第に明るくなってきてヘッドライトがなくても進めるようになったけど、それとともに便意が強くなってきた。本当にそのへんでしたくなったけど、エイドでトイレがあるだろうから我慢しながら進む。下っていると水越さんに追いついた。水越さんは最近アジアのトレイルシリーズでトップを走っている。いつもは追いついても最後のほうだから、自分が速いのか水越さんがおそいのか迷いながら声をかけた。「捻挫してちょっと調子悪い」ってきいて、自分が速くないことを確認。しばらくくだるともうすぐエイドという看板が見えてきてトイレにいける嬉しさがこみ上げる。幸いにも結構前の方(多分10番くらい)だったので、確か2つしかないトイレは空いていた。3分ほどで快適になり、水を補給してじゃがいもころころを5粒くらい食べる。美味しいけどたべにくい。長い林道区間に入った。ここでポールはバックにしまい、脈拍が140程度で走る。トイレ中に抜かされた水越さんや前を順調に拾っていく。抜かれることはなく、きつくないペースで長い長い林道が終わると30kmのCP1だ。この時点で8位だった(レース中は10番くらいであることはわかっていた)。ここで田辺さんに追いつくが、エイドで水を補給してじゃがいもころころを食べていたら先行されてしまった。ここから扇ノ山に登るトレイル。またポールを出して登りだしたが、なぜか左の鼠径部に痛みが増してきた。専門的には大腿直筋の付着部あたりの痛み。股関節を曲げるときに痛みが起こり、だんだんひどくなってくる。ハセツネの疲れが残っているのか。。とか速く走りすぎたのか。。とか悪い方向に思考が向いていく。田辺さんはあっという間に見えなくなり、痛みを堪えながらなんとか扇の山の頂上についた。こまったことに鼠径部の痛みは下りでもひどかった。脚を下ろすときにも痛みがでて全然スピードが出せなくなってきた。ゆるいトレイルの下りが早歩きみたいな速度になってしまい、これからどんどん抜かされるのかと思うと情けなくなってくる。

 しばらくするとトレイルをぬけ、短いロード区間がある。以前はコーラのエイドがあったので楽しみにしていたが、今回はなかった。鼠径部痛はロードの下りになると少しましになり走れるようになり、前が遠くに見えてきた。この区間で鼠径部痛はなぜかだいぶ楽になり、トレイルに入ってCP2までの急な下りはなんとか走れるようになって安堵する。この区間で1人抜かすことができた。CP2で8位であることがわかる。水を補給してじゃがいもころころを8粒くらい食べる。じゃがいもコロコロが走った衝撃で潰れてお互いがくっつきだしてなかなか食べれない。ここから論山の激登りまではロード区間の上りだ。思ったより疲れていてこの登りがあるきたくなる。あとから見るとkm6-7では走っているのだけれど、ものすごくゆっくりしか走れていない感じがする。後ろをみるとCP2の前のくだりで抜いた選手が近づいてきた。なんとかがんばって長いロードを走りトレイルの入り口についたときにはかなり疲れていた。ここでポールを出して登り始める。論山の登りは川沿いの谷筋を登りながらしだいに尾根筋にのぼる。尾根筋は斜度が30度をこえるような斜面で気を抜くと谷におちるようなところもある。ふと後ろをみると二人の選手が追いついてきた。さっきまで後ろにいた選手とは違う2人であっという間に追いつかれた。生田さんと岩本さんで、生田さんとは初対面だったけど、若くて元気そうだ。話をきくと8年ぶりのレースと聞かされる。8年ぶりのレースでめちゃくちゃ速いですねとか喋りながら登っていく。京都のトレイルの知り合いもいると、岡見さんと木村元さんの名前もでてきた。論山の頂上までは3人パックで喋りながらすすんだこともあって楽に登ることができた。なんとか論山の頂上につくとそこから林道の下りが始まる。急にふくらはぎが両側ともつって走れなくなった。二人にばれないようにしたいけど、速度がおちて、二人が前に出る。ふたりとも元気そうで羨ましい。なんとか林道をくだった先の予備関門まではついていったけど、そこで水を補給していると、岩本さんはなにも補給せずに登りの林道を軽快に登っていって見えなくなった。生田さんもさっと補給をすませて軽がると登っていく。水を補給してじゃがいもころころを食べて出発するけど、脚が重くて坂道が全然走れない。歩いてしまう。なんでこんなに早い時点で力がでないのかわからない。じゃがいもころころがだめかもと思って、初めてはちみつを取り出し、ひとまずごくっと飲み込んだ。甘くて美味しい。甘すぎて水で口をゆすぐ。そうこうしているうちに登りが終わって、小さなアップダウンが繰り返されるパートに入った。なんとかゆっくりでも走って、またはちみつを補給する、もうじゃがいもころころはやめた。細かいアップダウンパートが終わりやっと下りにはいる。最初は力がでずにゆっくりだったけど、少しずつ脚に力がはいるようになってきてどんどん飛ばせるようになってきた。やっぱりエネルギー切れだったような。。。前に一人見えてきた。岩本さんだった。そのままの勢いで前に行き、しばらくするともう一人、生田さんではなかったけど、丹羽望さん(その時は気づかず)。スピードをあげてエイドに向かう。エイドにちょうど7時間で到着した。なかなか水が出なくていらいらしたけど、水を補給してもうしばらくロードをくだる。あと一山だから8時間30分くらいで行けるかも。7位になって精神的にも調子はあがっている。またはちみつを補給し、さらにポケットに忍ばせたPowerGelのばななを補給。はちみつよりはまずい(笑)けど力になりそうな気がする。どんどん補給して前をとらえようと、とちのき村までの長いロードを必死ではしる。脈拍も140台を超えて、それそろ誰か見えてきてほしいと願うもだれもいない。ほんとに長いロードをのぼるとやっととちのき村のCP3に到着した。ここで田辺さん発見。やっと前がみえてきた。あと2人捉えたら総合に入れる!

 

その3に続く

 

OSJ氷ノ山山系トレイルレース 2018 その3 - 遙かなるUTMB