遙かなるUTMB

トレランにはまってUTMBまで行ってしまった外科医の日々のトレーニングや備忘録

UTMF2018 その1

UTMF2018 その0 - 遙かなるUTMBから

 

結果 DNF 77km 精進湖エイド 11:20

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今回も両親がサポートについてくれることになった

UTMBでサポートをしてだいぶわかったからと。。

当日朝、新幹線で三島まで行き、両親と合流した。縁起の良い焼き鯖寿司も京都駅で買えた。コンビニで、さらにとろろそばとばなな3本を買う。会場には11時頃到着。受付をして食事。いっぱい知り合いにあってそれだけでもずいぶん楽しい。

12時くらいからとろろそば、焼き鯖すし、ばななと食べてちょっと食べすぎかとも思うけど、まあ長いしゆっくりだし。

天気は曇り、少し肌寒い。 スタート前、世界のパイセンと

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スタート前にフラスクに水を入れたらだだもれ。Hydrapacはほんとよく穴が開く。もう使わない。。。かな?新しいのを高値で会場で購入する羽目になった(正確には親に買ってもらった)

もっとみんな前に並ぶのかと思ってたけど、そんなことはなく、前に並んでいるのは100名くらいであとはダラダラした感じ。ここはUTMBとはだいぶ違う。15時のスタートが近づいてきて、徐々に緊張感がみなぎってきてさあいよいよ長い旅のスタートだ。

 

基本的に最初の27kmくらいまでは林道と、電力線の整備路をだらだら進む

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脈拍も130超えないようにしていたし、下り基調だから120台で進む。本当にjogペース。なぜかすぐにトイレに行きたくなって、第一エイドに着く前に3回も小をしてしまった。第1エイドは水を500mlペットボトルでもらう。そんなにいらんから半分くらい飲んでそのまま係に返した。この林道を進んでいるときに、突然「blogみてますよ」って声をかけてもらった。登倉さん。しばらく同じペースだったけど彼はそれほど潰れもせず無事に完走されていた。いやあ、すごい。同じ頃、世界のNiwaさんにもおいついた。UTMBでは全く追いつけもしなかったけど、ペースが速すぎるのかどうかはよくわかないけど、まあ少し先に行くことになってしまった。

林道が終わると14kmくらいからようやくトレイル。トレイルといっても電線の整備路だけど、細かいアップダウンが続く。このころからなにか身体がしんどくなってきた。ゆっくりなペースで脈拍も遅いのに汗も多いし、腹全体に膨満感。これは食べすぎなんだろうか?レース中は結構ガスがよくでる方で(みんなのことは知らないが)、ガスが出てる時は調子が良いけど、全然ガスも出ない。少しペースを落として、お腹が動くのを待つことにする。でも食べないのも心配だから1時間に1個、大麦クッキーを食べるようにした。ついでに1時間に1個、塩カプセルも。

しかし、走れば走るほど、気持ち悪さは増していき、お腹も動く気配はない。A1エイドでトイレにもいってみたけど、大便が詰まっているわけでもなさそうだ。仕方なくそのまま天子ガ岳に突入だ。トレイルに入るとさすがに脈拍が少しあがる。135は超えないように注意してゆっくり歩く。思ってもいなかったけど、STYの最後尾に追いついた。これは走りにくいかもしれないと思っていたら、案の定STY渋滞があちらこちらにおこっている。このへんで広島の沼田さんに追いつかれて、さくっと先に行かれた。天子をぬけてアップダウンを繰り返して熊森山の山頂で30人くらいのSTYランナーが座り込んでいる。あいかわらず腹の調子は悪い。ここからの下りは試走では行けなかったコース。結構急で渋滞しているから非常に降りにくかった。2回ほど滑って転んだし。。。やっと道路におりて、しばらくロードの下り。飛ばしすぎないように淡々と降る。もうすぐエイドだ。まだA2エイドなのにすでにしんどい。A2エイドはサポートができるエイド。どんな風になっているのかと思ったら、エイドをぬけたところにサポートエリアがあった。両親が素麺を用意して待っていてくれた。最勝寺さんに写真をとられる。まだ40kmそこそこなのに全然食べれない。なんとか食べるけど美味しくはなかった。結構しんどいと弱音を吐きながら出発した。止まっていると冷えてしまう。すぐにレインを着込んで温まるまでゆっくり走り始めた。しばらくはだらだらとした平坦な道をいき、次は竜が岳になる。気持ち悪さはあいかわらずで、とうとう、大麦クッキーを食べるのもやめてしまった。今日は本当にまずいかもしれない、と思っていたら、なんかみたことある後ろ姿が。パイセン。。。。なんでこんなところに。

「ぶんさん、もうだめです、本栖湖でリタイヤします」って言われた。ぼくも一杯一杯だわっていいながらパイセンは夜に弱いなあって考えていた。竜が岳ではSTYと一旦別のルートになる。人がほとんどいなくなってなんかほっとした。人が多すぎて疲れた。一人でたんたんと登って行くけどだんだん足に力が入らなくなってきている。新城ダブルとか累積5300mもあるのに平気やったやろ?とか思ってみるけどまだ累積2000mくらいなのに力がでない。

 頂上付近でばさばさって鳥の羽音がして、ぱっと顔をあげると、なんとハリーポッターにでてくる「ふくろう」がとびたつ瞬間だった、その距離わずか2m。暗闇で自然のふくろうなんかみるの初めてだし、うわあ、「ハリーポッターの世界や」ってめっちゃ喜んで疲れが一瞬だけなくなった。ここからどんどん下って、本栖湖まで降りる。なんか大腿前面も痛い。なんでこの距離とこの登り下りで痛くなるのかは全然わからないけど(夜で見えにくいから腰が引けているのか???いつもより荷物が重いからなのか???)もう本当に調子悪い。新城でもレース中は痛くなかったよとかまた考えてしまう。とりあえず本栖湖まで降りたらロードを走ってエイドに到着した。エイドは暖かく快適だ。また何人か知り合いに会う。これだけ調子悪くても予定よりは少し早くきている。ちょっとしっかり休憩しないと絶対完走できない気がして、またトイレにいった。トイレで座っていると休憩もできて一石二鳥やな、ってあほなことを考える。大がでれば胃腸が動くかと思って10分くらい座っていたけど少ししかでんかった。諦めて戻ってきてスープとか飲んでいたら、Niwaさんが入ってきた。とうとう追いつかれた。「どうしたんですか???」って言われて、いやあ胃腸の調子悪くて。。。ていってたら「またですか?」て言われてちょっと凹む。丹羽さんは調子よさそうであっという間にエイドを出発していた。ゆっくり休んだし、追いかけてそのままエイドを後にした。

 丹羽さんはほんの少しずつ離れていく。もう追いつく元気がでない。しばらくすると星野ゆかりさんと大石さんにも抜かされた。女性は元気やなあって思う。もちろん元気な男性もいっぱいいるわけだけど。本栖湖の周りは結構アップダウンがある。いきなりヘッドランプがまたたいた。えーまだ6時間しか経ってないけど???古い方のバッテリー(Petzl Nao)を使っているせいなのか???よくわかないけどしかたなくバッテリー交換。UTMBを思い出した。登りも下りもあまり走れなくなり少しずつ抜かれていく。ものすごく免疫能が下がっている気がしてきた。疲れると左腹部に以前出た帯状疱疹のあとが腫れてくる。長いレースのあとは大抵少しはれて、ウイルス免疫が落ちているのがわかるのだけど、レース中にこれだけはれてくるのは初めてだ。暗闇の中で富士山の輪郭が綺麗に見えて心が洗われるけど、あと100kmは無理だろうなって思う。やっとのことでA4エイド。夜2時を過ぎて時間的には予想通りだけどヘロヘロになって到着。あまりの寒さに両親に用意してもらっていたダウンや何やらあわてて着込んだ。温かいタオルで顔を拭いたりしながら座り込む。温かいスープは飲めるけど、食べ物は全く食べれない。UTMBでもきつかったけど、ここまで食べれないことはなかったし、調子悪くなったのも100kmくらいだったからそれよりも酷い状況だ。仮眠したらなんとかなるかもしれないけど、そうなると両親をふた晩付き合わせることになる。さすがにそれも申し訳ないし、UTMBを上回る調子の悪さに15分くらい考えてリタイアすることにした。日本だからリタイアも簡単だった。すぐにリタイアできて、そのまま両親と車にこもる。とりあえず朝まで仮眠することにした。調子が悪すぎて朝までほとんど寝られない。上州武尊でも眠れなくてもしばらく横になっていたら元気になったのに、今回は全然回復しない。お茶すら飲む気がしない。ようやく9時頃になって少したべれる気がして、コンビニでカップ麺を買って食べた。なんとか食べれる。その後ホテルをキャンセルして両親の車でそのまま帰ったけど、そのまま38度の熱発で60時間寝込んでしまった。

 そういえばスタート3日前に喉がいたくなってやばいと思ってたけどひどくならなかったから気にもしてなかった。少し風邪ひいてたんだろな。。。

初リタイアだし、ゴールできなくて悔しいのはあるけれど、今回はよくわからんくらいに調子悪かった。次回機会があればリベンジしないといけない。それ以上に同じところくらいでリタイアしている同じくらいの実力の人が多かったのが面白かった。やっぱり知らず知らずに無理しているのかもしれない。

ちなみに脈拍の推移

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やっぱり100mileは難しい。絶対にごまかせない。もっと練習できれはごまかせるのかもしれないけど、今の所ごまかせるのは100kmまでだ。

知り合いでもたくさんの人がへろへろになりながらも完走していた

みんな本当におめでとう!

100マイルは完走するだけどもすごいと思う。ほんとそう思う。