遙かなるUTMB

トレランにはまってUTMBまで行ってしまった外科医の日々のトレーニングや備忘録

滋賀一周ラウンドトレイル Stage 7

昨晩は歩くのも疲れていたけど、朝起きたら駆け足くらいはできそうだった。

朝ごはんはカップ麺1個とおにぎり2個

今日は鈴鹿の後半から信楽という全長約70kmのコースであり、ゴール関門が翌朝8:00に設定されている恐ろしいコースだ。幸いにも天気は良いけど暑くなりそう。

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このギザギザ具合、、、恐ろしすぎる

朝からなんと阪田さんが応援ランに来てくれた。三重縦走300km終わったばかりなのに(笑)

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最勝寺さん撮影

やるきまんまんの大地。いい顔してる!彼のチームは昨日のアクシデントがあったけど、やっぱりこの状態でも大地から3時間以内でゴールしようと思っていた。

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スタートとともに、みんな走っていく。全然走れない。。。真ん中より後ろをただ歩く。阪田さん、一緒に行ってくれるんじゃなかったの?彼も走り去ってしまった(笑)

しばらくいったところで優しい阪田さんは待っていてくれて、そこから900mまで直登るし、70mほど下る。阪田さんも疲れているからここでお別れして、御在所までの登りを開始した途端、ルートを間違って、チーム10分くらいに先をいかれた。全然抜かす元気がなく、女性2人のあとを黙々とついていく。あまりにもついていってたから途中でとうぞ!っと道を譲られて、しかたなく一人旅となった。国見峠について、だらだら進むと御在所岳。なんか舗装路もあって観光地っぽい。ここから武平峠までの急坂を降りていたとき、岩でパンツの右側がスパッと切れた。

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最勝寺さん撮影

セクシーとか言ってる場合じゃないけど、写真で見るとかなり怪しい。。

さらにこのあと転倒して右のポケットに入っていたスマホの画面が割れるし、だいぶ手をすりむいた。と思ったら、若岡さんい追いついた。やっぱりだいぶ足が痛いとのこと。

ここでサプライズ

我らがチームの監督、山本山登場

ここまでスタートから2時間。監督によると予想どおりのタイムだそうだ

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近藤さん撮影


鎌ヶ岳まで一緒に行ってくれたし、持っていた安全ピンでパンツの修理をしてくれた。

ここからは本当に大変なコースだった

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近藤さん撮影

 

どこ登るね?とかどこから降りたら良いん?みたいなところばかり、何回かコース取りを間違えて命の危険を感じることもある.

第1エイドは安楽峠だけどなんと監督と会ってから、17km先で5時間かかっている。ものすごいコースだ。ものすごく時間もかかって、だいたい10km進むのに3時間超えている。だんだんメンタルがやられてきて、悪い方向に考え出したときに、なんと前方から監督がやってきてくれた。あと30分くらいでエイドだからと。監督のペースは見事で、一定の距離を保ちながら特に急ぐ様子もなくたんたんと走ってくれる。あっというまに元気が回復してペースも速くなる。チームとかペーサーがどれだけ大切か身にしみる瞬間だった。さらに阪田師匠も合流してくれてさらに元気がでる。阪田師匠は全然ペーサーとしては失格で、急登を勝手に走っていったりとにかく一人で元気だ。なんで300kmも走って、こんな坂走れるかわらかんと思って、試してみたけど10mで嫌になった。

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最勝寺さん撮影

 

なんやかんやしていたら安楽峠のエイドに到着した。ここまで本当に長かった。

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最勝寺さん撮影

ここから鈴鹿峠まで5km程しかないけど、だいぶかかるからと言われて、水を1000ml背負った。また一人になると少しさみしくなってくる。気持ちよく走っていると急に道から外れていることに気がついた。慌てて戻ると見にくい分岐。しばらく登るとどこかの頂にたった。ほっとして携帯みていたら後ろから人が。。。

誰っとおもったら赤木さんさんだった。同じところでロストしていたらしい。

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ここから同じペースで走っていると鈴鹿峠のエイドの手前でまた監督が現れてくれた。エイドでうどんをもらったような。。。まだ元気だったからそれほど休まずエイドを出る。赤木さんも一緒に行きますか?と聞くと、もうちょっと休んでから行きますとのことでまた一人となる。

ここから柘植まで12kmと言われる。実はこのコース反対向きに山本監督と走ったことがある。

伊賀遠征 - 遙かなるUTMB

このときも結構なコースだなあと思ったけど、疲れた身体にはかなりきついコースだった。でもコースを知っているからなんとなく気持ちは楽かも。

監督が高畑山までついてきてくれたけど、「つきました」とか「ここです」とか何回も聞いて全部間違いで、結構何回も登り返してやっとついた。

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監督撮影

ここで一旦監督とお別れして、一人で走る。

しばらく一緒だったからなんか寂しくなるけどたまに道を間違えるから気をつけながら進む。

前は入江さんとランボーズのたぶん池田さん、そして大地くんだけとなった。

そしてだいぶ日が落ちかけてきて、柘植に向けて山を降り始めた。この区間も12kmで3時間30分かかっている。疲れているのもあるけど凄いコースだ。エイドの手前で監督が自転車で迎えにきてくれていた。

柘植のエイドで入江さんに追いついた。ここからは比較的フラットだけど26kmもある。エイドで、そうめんやそば、カップ麺などを食べて寒いからとみんなにダウンとかをむりやり着させられる。

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自転車の監督 近藤さん撮影

入江さんが先に出て、5分後くらいにエイドを出発した

寒くなるかもしれないので、ここでmilleのあみあみを着用

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近藤さん撮影

このときはなんとか2位になろうとか思っていた。

しばらくロードなんだけど、近藤さんがロードを走らすわけないと思い込んで、道に迷う。見かねたスタッフが教えてくれた(笑)

ここからロードと林道を行ったり来たりしながらの東海自然歩道を進む。一部わかりにくいところがあるのと、このレース初めてナイトランとなったのもあり、たまに間違いながらも順調に進む。すすめどすすめど入江さんには追いつかず、順調に伊勢廻寺のwater aidに到着した。お味噌汁を頂き、行こうかと思ったらトイレに行っていた入江さんとばったりあった。これまで数日間ずっと抜きつ抜かれつだったこともあり、スピードもほぼ同じだから、今日は一緒にゴールまで行きましょう!ってことになり、一緒に走り出したらあっというまにロストした(笑)

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ここからの3つの登りが結構曲者だった。

1つ目はロードで登り、途中から通行禁止って書いてあるトレイルに入る。

しばらく走ると、急に嘔気がしてきた。結構やばいかもしれない。と思っていたら入江さんがちょっとゆっくり行きますって言い出した。いや、僕もスピード落としたかったんですということで、2人とも少しゆっくりになる。

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近藤さん撮影 このあと。。。

そしてそれは突然来た。嘔吐。なにも出ないけど数回吐く。数回なにもないけど吐くと少し楽になってまた動けるけど、待ってくれている入江さんにすみませんと謝る。先に行ってもらおうかと思ったけど、入江さんは待ってくれている。頑張ってまた登りは歩き、下りは走れる範囲ではしる。ここでライトが見えて声をかけると赤木さん。すごいスピードと元気のよさで追いついてきた。頑張れるだけ行きますと凄いスピードで行ってしまった。入江さんと僕はまたとぼとぼ進んでいく。

2つ目の登りのあとは、どこ通ったらいいのかわからないような道を通らされた。また吐く。吐くたびに入江さんはまってくれている。申し訳なさすぎて、何回も謝ってしまう。とうとう高速道路まで降りてきて、あとのぼりは一つとなった。

もはや全然足に力が入らず、ポールに全体重をかけて階段を1段ずつ登る。そこに多田さんが迎えてに来てくれた。もうちょっとだと勇気をくれる。ちかさんも来てくれた。履物が悪くてついてこれるか心配だったらしいけど、もはや歩くより遅い速度になっている。小さな登り返しが終わって下って線路を超えるとそこがゴールだった。入江さんが「ゴールタイム同じタイムにしてください!」ってスタッフに言っている。入江さんと抱き合って感謝して、しょーやんと抱き合ってまた涙を流して、椅子に座って、二宮さんに毛布をかけられて、いちごを2つ食べたかな。。

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時間的にはその日のうちには帰ってくることができた。

身体はぼろぼろだった。ホテルまでの車の中では目をつむると延々とトレイルをアップダウンしてくる感覚に襲われる。ホテルの部屋に入るのもやっとのおもいで、部屋に入った途端布団の上に倒れ込んでしまった。風呂にはいることも食事をとることもできなかった。ただただ倒れ込んだまま動けなかった。重力が10倍くらいに感じる。布団に全体重が押し付けられ、寝返りもできない。しょ~やんたちはカレーを食べてくるって出ていって、横にはポカリだけが残された。ポカリも飲むと吐きそうで、少しずつ飲む。しょ~やんたちが帰ってきて、布団ごと動かされたけど自分ではまったく動けない。靴下も着ているものもそのまま倒れ込んでいる。電気が消されてみんな寝てしまった。苦しくて冷や汗がでて、やっと上に着ていた上着を脱げたのが夜中の3時だった。そして靴下を脱ぐことができたのは朝の4時半だった。5時頃にみんなが起き出して、僕の汚いままの姿と顔をみて、しょ~やんは自分が行くしかないと思ったようだ。しょ~やんの足も良くはないし、最後のステージはどちらかが完走しなくてはいけない。持っていたカップ麺を2つ食べることができた。なんとかそのまま着替えてポールをもつ。スタッフにも本当に走るの?って聞かれる始末だけど、走らないっていう選択肢はその時はなかった。

いよいよ最終ステージだ

滋賀一周ラウンドトレイル Stage 8 (Final stage) - 遙かなるUTMB