遙かなるUTMB

トレランにはまってUTMBまで行ってしまった外科医の日々のトレーニングや備忘録

DRUK PASS TREK

2年前に仕事でブータンに3ヶ月滞在してました。仕事なのか高地トレーニングなのか?って良く聞かれるけど、首都Thimphuは標高約2400m。写真の向こうの山はDagala trekのルートにあるTALAKA Peak (4300m)。周りは山ばかりでいろんなトレッキングルートがあります。

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昔のことだけど、首都のThimphuから空港のある隣町までのPaloまでのTrekkingに行ってきたのでおつきあいください。

ブータンはネパールの東にある小さな国で、ヒマラヤ山脈の東側に位置します。

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仕事場から北の方を見ると一番近い山があります

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この山もOver4000m。隣町のParoからBhutanまで、最後この山を超えてくる、DRUK PASS TREKというルートがあることを知りました。

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通常は4-6回テント泊で踏破するこのルート

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こんな感じなのですが、いかんせん時間がないし、お金もない(ツアーで行くとめちゃくちゃ高いです)。というわけで、ThimphuからParoまで逆向けに日帰りしちゃおうと思ったのですが、誰に聞いても絶対無理と言われる始末。3月だったのですが、山の上は夜は氷点下10度になるようですので、日帰りできないと結構厳しいです。Thimphuからルートの途中まで何回も下見に行き、ルートもネットの情報を頼りになんとか調べ、決行しました。

一人で行こうと思っていたのですが、仕事で知り合ったClay(60歳)が一緒にいきたいというので、最初の山頂まで一緒に行って、行けると思おうのならついてきな!みたいな感じでスタートです。心配は3月だったので雪がかなり残っている可能性が。。。

街のoutdoor shopで物色するもアイゼンなどは手に入らず。。。まあ下から見た感じではそれほど雪はなさそうです。

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行く前に作った、予定時間。AM4:15出発で15:40到着予定となっています。

標高図はSuuntoの記録ですがこんな感じ

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全長約46km、D3000m、ルートの大半は標高3500m以上のコースです。

TRAILはThimphuのハズレの動物園の近くに入り口があります。仕事場の同僚が朝に送ってくれました。

急なトレイルを延々と登ると

Phajodingというお寺で朝日が登ってきました。

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広大な敷地というか山麓にいくつものお寺があります。その一番たかいお寺で湧き水を補給。水を補給できたのはここと、唯一北の端の赤丸のとこの雪解け水だけでした。

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水をいただいたお寺はこんなところ(別の日の写真)

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お寺を超え、4100mに祠があり、そこから景色が一変します

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森林限界を超えて、広大な景色。日本のアルプスとかともちょっと違う植生で素晴らしい景色です。Clayもついてくるというので、まあいいかと行くことに。しかし4000m超えると、フラットは走れるものの、登りはほとんど走れません。思った以上に時間がかかります。しばらくいくと、ヒマラヤ山脈が目の前に

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右端の白い山はジョモラリという7000m級のブータンで2番めに高い山です。

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Clayと犬たち。Pajhodingで住み着いている犬が1匹、なんと最後までついてきたんですよね。。。トレイルは雪があるものの、それほど深くなく快適に進んでいきます。

 

 写真の右から左にゆるやかに登っていくルートが見えます。奥にはヒマラヤ。

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犬も楽しそう。。。

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湖の畔をとおり

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快適な下りのトレイルを走ってたら、ルートから外れたことに気づき、道なき厳しい登りを登りルートに復帰(GPSの予定ルートに復帰しただけ)

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道なき急登をのぼるClay。すこしずつ遅れ気味に

そしてこのトレイル最大の難所に

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写真の右上から下まで降りてきたのですが、北斜面で雪が1m以上あり、一歩進むごとに、股まで埋まることを繰り返し、わずか300mほど進むのに1時間かかりました。

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ついてきた犬は軽いのか埋まることなく楽しそう。下りはお腹や背中でソリみたいに滑っていきます。

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幻想的な湖を通り。。。

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細い、谷を抜け、、、

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この平原をすすみ、向こうに見える山の左側の峠を抜けると、、、

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一気に3800mまで高度を下げて平原に。。。向こうの山から降りてきました

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平原には湖が。

ここがルートの最北端の湖です。ここから登り返し。

ここで、Clayが泣き言を言い始める。。。Bungoもう走れないよ。。。

60歳でここまでこれたことが驚き。。。ここからはひたすら歩きです

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登り返して見たさっきの湖。絶景です。。。

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ここで湖とお別れ

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だいぶ疲れてきて、今からこれ登るのかよ。。。という贅沢

南斜面に入り、雪はすっかりなくなりました。

この後、疲れとともに、標高を下げ、景色も変わり映えしなくなり、写真もとらなくなり、日がくれてきて真っ暗闇の中、ようやく18時にParoにつきました。

なんとずっと犬が一緒です。Paroの手前で親切な人が車にのせてくれてタクシー乗り場に連れて行ってくれました。犬をどうしたらよいのか後ろ髪惹かれる思いでしたが、やむおえず犬とはおわかれ、犬、、、大丈夫かな?

ParoからThimphuまではタクシーで1時間ちょい。あっというまです。

なんとか一日で行けました。

雪のない季節なら、脚に自信のあるかたは挑戦してください。もし行かれるならGPXデータお渡しします。

後日談:次の日、犬が気になったこともあり、早朝にPajhodingに行きました。犬、かえってました。凄い。約100kmの道のりを走破しています。なんちゅう犬だ。。。

DRUK PASS TREK おつきあいありがとうございました。